医学生と、本棚

医者4年目(後期研修医(専攻医))がゆるく書いてるブログ。(ゆったり更新中)

当直を、のりこえるんだ!【当直5回目終わった今のキモチ/ひとつむぎの手。】

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夜7時半。日勤で働く先生たちから、患者さんを引き継ぐ時間‥当直の開始時間がやって来た。日勤で働く同期や先輩とお疲れーと言い合って、まだ治療が必要な患者さんの担当を、交代するのである。

 

鳴り響いていた救急車のサイレンがピタっと止まる。

同時に病院の扉をくぐって、ストレッチャーに乗った患者さん、そして患者さんを運ぶ救急隊のお兄さんたちが入ってくる。先輩は救急隊の人から患者さんの容態を聞いたり、患者さんに話しかけたり、処置を着々と開始している。隣の診察室では、きっと耳が遠いのだろう。上の先生のいつもより大きい声と、それに負けないくらい大きな患者さんの声が響きわたっている。

とりあえず電子カルテを病院から配られたカードキーで開く。救急の項目を押すと表示されるのは、途切れずに更新され続ける新患さんのリスト。たくさんいらっしゃるようだ。

今日も私は朝の採血からの出勤。カルテ書きとお昼休憩以外はほぼ立っていた忙しい日だったので、少々重たい足、それから頭をひきづりつつ、立ち上がる。

ペーペーの私のお仕事は、患者さん、それから患者さんのご家族の話をとにかく聞いて電子カルテにまとめること。まだ当直は5回目。重症の患者さんの対応は難しいので、先輩が対応することが多いけれど、軽傷の徒歩でくる方の対応はもう既に一人で、できる限り行うようになった。発熱・頭痛主訴、インフルエンザ、感冒(風邪)の患者さんは先輩、先生に逐一相談しないでも、やっと問診、検査のオーダー、薬の処方まで一人でできるようになってきた気がする。

しかし、ただの発熱・頭痛の患者さんでも舐めてかかってはいけないのである!こわい疾患、髄膜炎の否定は必ずおこなうのだ。

こないだ発熱・頭痛で来た患者さん、風邪っぽいけれど、なんだか症状の治りが遅く、変だと思って相談したら、頭部CTをとってみるように言われて、CTを確認すると副鼻腔炎蓄膿症)で(髄膜炎ではなかったけれど)‥上の先生の診断力に感動してしまったのは記憶に新しい。

ただの頭痛、発熱でもきちんと身体所見や話を聞いて適切な検査を行わないと、診断を間違えるのである。

 

それから、上の先生たちの足になってCTやMRI検査について行ったり、直腸診をしたり、血液ガスをとったり、検査のオーダーをいれたりするのも私の仕事である。わからないことは逐一すぎるほど、先輩たちに確認しながら‥。

 

鑑別診断を絞ってなるべく短時間で必要な情報を聞いたり、一人っきりで検査から処方薬、輸液まで選択するのはまだ難しいけれど、学生時代のような、ただ立って先生たちの診察を見学する時代は終わったのである。

 

とにかく、自分でできるだけ考え、話を聞いてカルテをまとめ、何か指示があればすぐに動くのだ!!患者さんが途切れるまで‥。

 

―――

GW終わりそう、そして令和なりたてホヤホヤの今日この頃。

平成生まれ最後の研修医である私は、比較的ゆったりしたスケジュールで過ごしています。朝の採血がないのがこんなに楽だとは。採血からの当直は本当にキツかったので‥。

当直、日直の日は相変わらず大変なのですが‥。(※当直:夜8時〜朝8時まで救急外来で働きます。私は何もなければ朝4時には眠っていいことになっているので、大体4時まで。 日直:朝8時半〜夜19時半まで救急外来で働きます。昼休憩以外はほぼノンストップ。ツライです‥笑)

あとホントに先生方にもよりますね。もう1年上の先輩と、ベテランの先生は本当にいろんな方がいるので‥。カルテの書き方、診察の仕方や診療時間の使い方、検査のオーダーの方針‥先生のポリシーや専門分野によって、本当にバラバラなので逐一確認していかないとダメなんです。すごく丁寧なカルテを書く先生もいれば、簡潔なカルテの後に付け足す形でどんどん付け加えていく先生もいる。検査も、初回の発作ならば前例CTをオーダーすることにしている先生もいれば、身体所見や病歴を丁寧に取った上で検査の有無を判断する先生もいるので。うーん、まだ正直、全然動き方が難しくわからない場面ばかりです。でもとにかく今は先生のいいところを盗みつつ、できることを少しずつ増やしていく期間なのかなって思っているので、頑張ります〜!

 

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昨日、知念先生の、ひとつむぎの手を読み終えました。知念実希人先生の本って私2冊目なんですが、本当に良かった。今の私にぴったりでした。

今当直で一緒に入っている先生って大体医者7年目くらいの先生が多いのですが‥この本の主人公もそれくらいのキャリアを積んだ先生なので‥!こんな先生いたらな〜!てなりました。そしてホントに設定もリアル。

本の主人公は心臓外科の先生なんですが、患者さんのことを考えて適切な医療を模索している、人当たりもいい先生‥もう実際こんな先生いたらぜったい人気でる先生!が主人公なのです。研修医も三人でてくるんですが、2年目の初期研修医なので、また自分と重なって!本当に読んで良かったです。

ひとつむぎの手

ひとつむぎの手

 


『ひとつむぎの手』刊行記念 知念実希人インタビュー

 

将来どういった医者になるかを決める大事な2年間。

何科に進むのか、入局するのか、どんなカルテを書くのか、患者さんに対してはどんな感じで接するのか‥。いろんな先生を見て、いろんなところを盗んで、質問して‥とにかく頑張ります〜!

 

とにかくまずは、カルテをきちんと書けるようになりたいです。最近、映画見に行ったり、ゆっくり過ごしていたので、今日は少し勉強します〜笑

「型」が身につくカルテの書き方

「型」が身につくカルテの書き方

 

当直を頑張って乗り越える力を、これから頑張って少しずつ、身に付けます〜! 

 


知念実希人『天久鷹央の推理カルテ』PV|新潮文庫nex

 

天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)

天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)

 

 ↑よみたすぎる。神酒クリニックシリーズも読みたいです‥。

 

それでは、今日も読んでくださりありがとうございました!

知念先生の本の記事↓

otnika301-703.hatenablog.com