医学生と、本棚

医者4年目(後期研修医(専攻医))がゆるく書いてるブログ。(ゆったり更新中)

チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~ 感想

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とうとう、映画、見てきました。ここからは、久しぶりに尋常じゃないくらい“チェリまほ沼”にハマり(ドラマ・原作漫画ともに何周もしてループが止まらない…)私の備忘録です。

 

 

チェリまほとは?

チェリー(童貞)まほ(魔法)の略。

30歳になっても恋愛経験のない地味で冴えない(優しくて真面目な)サラリーマン安達くんが、30歳を機に、人に触れると心が読める魔法を手に入れます。その魔法で、同じ会社の同期であるイケメン黒沢くんに恋されていることがわかり、始まる、純愛ラブストーリーです。原作は漫画。漫画も人気だけど、ドラマ化したところ、大ヒット。

いわゆるBL(ボーイズラブ)作品なのですが、海外でも人気が高く、現在映画も上映中!

という超人気作。

昨日サブスク登録しているNetflixでも全話観れることに気づいて、また1話から再生してしまいました…(中毒性が半端ない。ドラマ版も漫画版も1話がこんなに面白いのってなかなかないような気がします。)

 

 

 

まずは人間観察。

映画なのですが、私は公開初日と舞台挨拶(午前)がある土曜日の2回(初ライブビューイング!)見に行きました。(舞台挨拶(午後)も行きたかった…!が行けませんでした笑)

久々にひとりぼっち、映画鑑賞だったので、周りの観にきている人たちをチラチラと見渡してみたのですが、

見にきていた人たちは、私と同世代の女子か、高校生か大学生くらいの若い女子がほとんどだろうか?思っていた私の予想に反して、思ったよりも私より年上の方が多くてびっくり。(割と私の母親世代が一番多かった印象…!)

おっさんずラブよりはやっぱり女子の動員数が圧倒的でした。(予想はしてた)

しかし男性(彼女さんにつれてこられたorたぶん一人客)の方も大量の女子に紛れて、ちらほら観にいらっしゃってました。それが、嬉しかった。さすがピュアラブ…!

一番印象的だったのは、最前列真ん中に座って観ていた、グレイヘアのおじいさん。

よく見えなかったのですが、終盤、泣いていたような。(観にきた理由も気になったけど‥昔あった出来事を、思い出したのかな。気になる。)

 

どんな映画?

ドラマ版では安達と黒沢が晴れて恋人となるところまで描いているのですが、映画版はその続きが描かれています。

 

一言でいうと、誰も傷つかない、夢見ごこちになれる作品でした。

丁寧な心理描写は、ドラマ版や原作引き続き、そのままで。

主演の安達演じる赤楚くんが言っていた通り、黒沢よかったな〜ってなる映画。

 

正直あっという間過ぎて、最後の大切な人に笑顔で祝福される映像は…黒沢の夢おちか?って一瞬思ったほど。

夢オチではなかったようで、ちょっともう一回見るしかない!

ということでもう一回観に行きました笑(そしてまたもう一回観たい…)

あんまり書くとネタバレになっちゃうのでこの辺にしておきます。笑

あと主題歌と挿入歌が良すぎです。聴くだけで泣けてくるしウキウキするし。素敵。


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チェリまほは、どうしてこんなに人を惹きつけるのか。

なんでこんなにもハマる人が続出してるのか、いろんなところで考察されているけど、自分なりに考えてみました。

 

テーマがあたたかい。

“自分の納得できる選択をすること。自分の選択、他者の選択を尊重すること”

もちろんお互いを思いやる純愛がテーマではあるけれど、

ドラマと映画版の、チェリまほの大きなテーマってこれなのかなって、ふと、思いました。

ドラマ・映画では、主人公の2人は選択を実際にする側なので、はっきりとした発言はないんですが、藤崎さんや安達や黒沢の家族など2人の周りにいる人たちが、この類の発言をバシッとするんですよね。

 

現実ではもちろん、

自分の納得できる選択をすることはとっても勇気がいることだし

納得できる選択をした上で周りの理解が得られるとは限りません。

 

同性愛に対しての理解って私たち世代ではだいぶ認知も進んだと思うし、自治体によってはパートナーシップ制度ができたりしていると思います。けど現実問題やっぱり難しいことが多いと思うのです。

そんな中、こうまっすぐ、真面目に誰も傷つけないようにこのテーマを描けたのは大きかったんじゃないか?と思いました。

 

役者さんがあたたかい。

もちろん安達役の赤楚くんも黒沢役の町田くんがイケメンなのも人気の一つとは思うのですが

チェリまほにハマって、雑誌や特集記事も読みあさったし、インタビューや対談なんかも観まくった私が思ったのは、”役者さんのあたたかさが、際限なく滲み出てくるところ”が人気の理由の1つなのかなって思いました。

私は世代的に赤楚くんと同年代、町田くんのちょっと下なのですが

本当に、こんな考え方が素敵な人って現実にいるんだろうか?ってくらい、素敵だし、可愛いし、かっこいいし、読んだり、観た後必ず、あったかい気持ちになるんですよね。人間として、こうなりたいなっていう気持ちになる。

安達役の赤楚くんも黒沢役の町田くんはもちろん。あと他のキャストさんや監督、スタッフの方との絡みでも、雰囲気の良さが滲み出てくるというか。

赤楚くんがよく言ってる”この作品は出会いも含めて宝物”って言葉が素敵すぎる。

そういうところに惹かれた人、いっぱいいるんじゃないかな。

 

自分自身、納得できる選択をして、大事な人の選択を応援できる心を持って、その上で発言できる大人になりたいものです。

ここからはめちゃくちゃ個人的な私のお話。

 

病理医として現在病院に勤務している私。

まだ若く未来がある人に、癌という診断をつけたり。(私と同年代の女性の、産婦人科の先生が手術してとってきた子宮を診断するために切って、顕微鏡でみるためにカセットに詰めて…ってした時は流石に心が痛みました)不妊の検査のため、男性の精巣や、残念ながら流産してしまった本当に5mmくらいしかない赤ちゃんや、お母さんに残った絨毛に悪性所見がないかを顕微鏡で覗いたり、お腹の中で亡くなってしまった赤ちゃんの死因究明のために解剖したり…そういったお仕事もしています。

 

そんな私。年齢的に出産適齢期なのもあって、友達の出産報告を受けたり、友達の可愛い子供を見せてもらったりするんですが、やや複雑な思いも抱えていて…

 

実は私自身、現在妊活中。最近ようやく、基礎体温をつけてみると、高温期がかなり短いことが判明し(ストレスかも……)そんなこんなで、慌ただしく過ごしていると生理が来て…また今月もダメだったか〜、とがっかりしたりしているのです。(もっと大変な方はいっぱいいるだろうし、妊活初心者がこんなことを書いていいのかわからないですが…すみません…)

 

なんだか回りくどくなってしまいましたが、言いたいことはですね。

この世の中って、他人には予想もできない、色んな思いを抱えて、生きている人がいて。

そして、個人個人の前には、その時々で選択肢がいっぱい転がっていて。

その選択肢って視野を広げないと見えてこないんですけれど。

自分自身と周りの環境だったり、誰かから言われた何気ない一言で、その選択肢は変化したり、消えたり、増えたりしているってことをしっかり心に刻みつけないといけない、ということです。

 

お医者さんになって、その上、アラサーになって、そのあたり、ようやくちょっとずつわかってきました。

私のおばあちゃんは、顔出すたびに

“結婚して、子供を産んで、育てて、それが一人前だ“(=はやく子供をつくりなさい。)と言うし、

母は母で、

(結婚前の話だけど旦那さんがアレルギーと持病もちなのですが)

“もっと、健康な人がいいんじゃない?“

 

どれも、これも決して間違ってはいないんです。私のこと、未来のことを考えた上での発言だと思います。ただ、それを聞いてモヤモヤしたり、人によっては深く傷つくことだってあるんですよね。

 

結婚しない人もいるし、結婚したくてもできない人もいるし、望まない妊娠を若くしてする人もいるし、子供を持たない選択をする人もいるし、子供を望んでいるけどできない人もいるし、子供を若くして病気など色々な理由でなくしてしまった方もいる。そして人間は健康が一番なのですが、誰しも、どこかで病気になるんですよね。病気の看病やら介護やらで金銭的にも精神的にも大変な人は、表には見えていないだけで、たっくさんいる。

そんな、それぞれの環境の中で、各々いろんな思いがあるし、そこでいろんな選択をするんですよね。人間って。

 

すんごい脱線しましたが。

この世の中にはいろんな人がいて、どこがその人に刺さるかはわからないけれど

“自分の納得する道を選ぶ”→“その選択を認めて応援してあげる(選択をできるように手伝ったりする)→そして相手の状況を考えた上で発言する”って、本当に大事なことだと思います。こういう人が世の中に増えたらもっといい世界になるんだと思います。現実的には、難しいことだけれど。

というか病院の職員である以上、このマインドは決して忘れてはいけない。

そしてもし、私に子供ができたとしたら、その時もだし、そして大事な人が選択する時にも、これをちゃんと思い出さないとって、思います。

 

そういう、“自分が納得する選択をすることと、その選択を周りが温かく応援してあげる世界”を描いているチェリまほは、作品としてすごいんじゃないかな、と思いました。

 

誰か1人でも背中を押すことができた映画はそれで成功だ

って旦那さんが言ってたんですが

チェリまほ THE MOVIEは、誰かの背中を押せる映画だ!

と私は思いました。

 

――――――――

お久しぶりです。2月くらいからずっとコツコツとやってきた仕事(資料づくり)がやっとこさ、ひと段落ついたため、(まだやらないといけないことは山のようにあるけど…)ようやく趣味に邁進している私です。

 

最近LINE漫画にハマっているんですが、視野を広げるという意味でこれは結構良い漫画かなって思います。タイトルは衝撃的ですけどね!

頭のカッチカチなお父さん(おっさん)よ、視野を広げていこうというお話です。

 

全然話は変わるんですが、あと2作品紹介させてください。

おととい、知念先生の硝子の塔の殺人を一気読みしました。文章中に、たっくさん、これでもか!というほどにミステリ小説が出てきた(トリックもミステリ小説から解読するものだったりしました)ので、ミステリいっぱい読みたくなりました笑

今月はミステリ週間になるかもしれない…

 

最近また聴き始めた、文学ラジオ空飛び猫たちで、出てきた”そこのみにて光り輝く”もちょっと気になっております。

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時間ができたら、読んで、映画も観よう。

 

 

珍しく沢山、書いたのですが笑

町田くんと赤楚くんコンビで観たかった、原作ででてきたあのシーン!というのが

映画では思ったより入っておらず(時間の関係か、この大事にしているテーマに合わせて原作のキュンキュンシーンを削った関係か、、)そこが残念なところではありました笑 

 

でも原作ではなかったシーンを観ることができて、満足。(特に町田くんの濡れ髪シーンは感無量でした。)

うまくまとまっていたし、これはこれでいいのかも。

 

続編は多分このラストだと無さそうではあるので…でもでも、スピンオフでもいいので、そのあたりの補完をやってくれたら、ファンは大喜びだと思います笑(ヘリデートとかね!笑)それか他の作品でもいいから、またどこかで共演してほしいなあ。(赤楚くんの朝ドラ出演が決まってめっちゃ嬉しいです笑)

 

ありがとう、チェリまほ。

今月発売の、チェリまほの漫画の最新刊も、映画のビジュアルブックも、きっちり読ましていただきます。笑

というわけでまた、ゆっくり、できる時に、更新します!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

大変な時はまだ続きそうですが、ご自愛ください。