医学生と、本棚

医者4年目(後期研修医(専攻医))がゆるく書いてるブログ。(ゆったり更新中)

女子研修医のリアル。【生活/進路/悩み/結婚と出産/コロナ/NiziU】

とある、2年目女子研修医のリアル。

久しぶりに書いた、今現在について。

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お医者さんの生き方。白い巨塔と一国の主人。

あなたは旅人。今日も、真っ白で綺麗なお気に入りの上着を羽織り、タブレットとピッチをポケットへ滑り込ませる。

ポケットの奥底に入っていた、一粒の飴ちゃん。パッケージを剥がし、甘いその塊をぽいっととお口へ放りこむ。コロンと舌で一回転させると、その瞬間パッと視界が切り替わり、別の空間に放り出される。

仄暗く殺風景で広大な空間。そこに浮かぶ無数の扉。その隙間から垣間見える色とりどりの世界。

宙にふわふわと浮いた体は、やがて一つの扉の前にたどり着く。

”次の世界はどんなところかしら‥?”

 

1ヶ月ごとに全く違う国を渡り歩く旅人のごとく色々な病院そして様々な科を飛び回っている研修医。

教授選の噂がまことしやかに飛び交う中、外勤・夜勤をこなしながら慎ましく業務をこなしている白髪混じりの勤務医の先生。ちょっと寒めの部屋、その場に少し似合わないボーカロイドの曲が流れる手術室で、粛々と麻酔をかけている麻酔の先生と華麗なメスさばきを見せる外科の先生。ホルマリンの匂いが漂う中で臓器を切りだし、かと思えば顕微鏡を覗きお茶を飲みながらレポートを書き記している病理の先生。仄暗い部屋でレントゲンの画像を見ながら研修医の質問に優しく対応する放射線科の先生。いつ見ても優しくスカートから覗く足がすらりと美しい精神科の先生。

ギターを弾くからと長くのばしている爪をきらりと光らせて、今日はテニスをするからね!と早々に帰っていった、悠々自適な暮らしをしている小さなクリニックの院長先生。

 大学病院・市中病院・さらにクリニック。

同じ場でも、内科や外科など科によっても、全く生き方が違ってくる。

よく考えてみると、とっても不思議。同じ“先生”なのに。

いろんな世界の扉を開いてその世界を旅してきたけれど、まだどうしていいかわからず。

先生の背中を見つめながら自分自身の今後を考える今日この頃。

どの世界に飛び込むべきか‥。ちょとずつ、決まってはきたけれど。

まだ迷い途中。

 

ダークサイド

一歩間違うと自分のせいで、誰かを殺してしまうかもしれない‥

ダークサイドの深淵は、気づいた時には、すぐ近くに。

 

ある日の病棟。内科の患者さんですが、皮膚の赤みがあり皮膚科も見てもらいたいとのことで‥皮膚科の先生にコンサルト(相談)することになり、その仕事を1年目の研修医の先生がすることに。全くもって初めてのコンサルトに困りはてている1年目の研修医がおりました。そんな彼女に一言。

“えっと‥多分それはぶちっと電話切られちゃうから、短めにしようかな!

研修医○○と申しますが、先生今お時間大丈夫でしょうか。からはじめて、

○歳女性○○で先生に診察依頼なのですが〜‥‥って感じでやったら良いと思う!“

スラスラとワタシの口から出てくる言葉の羅列。

一年前には絶対こんなにスラスラとは、でてこなかった。数々の先輩から教えていただいた言の葉たち。

 やっとコンサルトや病棟業務にも慣れて色々できることが増えた今日この頃。

2年目になると、こんな風にちょこっとだけ嬉しい瞬間もあるけれど、まだ知識が足りなかったりできないことの多さに愕然とする瞬間が少なからずあり、不安が増大する瞬間も。できることが増えると見えるものも増えて、できないことの多さに愕然としちゃって病んでしまうっていうのもアルアルみたいなんですよね。患者さんのために動きたいけれど、怖くてしょうがない瞬間がどうしてもあって。

一緒に歩いてきた仲間がまた一人ダークサイドに呑み込まれそうになっているのですが‥本当にむずかしい職業だなって。いい意味で鈍感力もないとダメなのかな。

それでもとにかく生活のため、家族のために働くのです。

 

リアル・イダジョ!〜結婚・出産、本気でむずかしいのですが〜

元同級生、別の病院の研修医の友人と久々にばったり会って話をしたのですが‥

同じ病院で出会った彼からプロポーズされたけど結局保留にした、という彼女。

初期研修2年が過ぎ、その次の進路として考えている病院が離れ離れになることもあるし、子供を育てながらの研修の想像がつかなかったということだそうで‥。

そして隣の机で突っ伏して寝ている、働きだしてから家で疲れて眠るだけで相手がみつからない~と悩んでいる同期の女子研修医。

そんなワタシは結婚したのはいいものの、出産の時期を迷っています。コロナで予定していた結婚式も延期にしたり‥延期したのはいいけれど来年落ち着いて開催できるかしらと思ったり。そんなこんなでもうアラサーだし。高校時代の友人はもう子供いる子も多くって。

勉強して成長したい気持ちが高まる時期に妊娠出産適齢期が重なる苦悩よ。切実なり。

子育て中の女医さんの背中が眩しい。ベイビーは愛しい。

一旦全部放り出して、リセットしたい。家事も結構大変だし。

あーー!もうどうしようっていう、矛盾した、もどかしいこの気持ち。

だれか、わかってください。 

イダジョ!研修医編 (ハルキ文庫 と)

イダジョ!研修医編 (ハルキ文庫 と)

  • 作者:史夏ゆみ
  • 発売日: 2019/12/16
  • メディア: 文庫
 

 続編は残念だけど、ファンタジーだったかな‥。本当にこういう人もいるかもしれないけれどね!!

 

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ホントおひさしぶりです。‥コロナのせいもあるのか、閉塞感やら悩みやらが自分の中で大きくなっていて、筆を走らせる気分にどうしてもならなくって。でもやっと書く気が起きたもので!書いてみました。小説ちっくに。あー!本、読も‥!と思ったけど、近くのツタヤで、昔読んでいたいくえみ綾潔く柔くの中古が売られていたのを買っちゃったので笑 粛々と読もうと思います。なつかしい。

潔く柔く 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
 

 こんな閉塞感のある日々ですが、どうにかやっていけているワタシです。

今ワタシはコロナの患者さんが増え続けている地域におります。

医療は逼迫していると言われていますが‥本当ですね。ギリギリのラインを攻めている感じ。救急の現場から病棟、外科の手術‥。コロナ感染症の方を受け入れるたび減っていく病床数。増えていく感染リスク。

どう考えても止められない治療の場の縮小は、現場に多大な影響を及ぼしています。一人欠けるだけでもいろんなところに影響が行くため大変だし、万が一罹ってしまったら誹謗中傷の嵐が病院まで巻き込みながら襲ってくる‥この現状ってどう考えても八方塞がりな気がしますね‥おそろしや。 

コロナの怖いところは高齢で持病がある人以外の、若い人でも重症化しあっという間に悪くなることもあったり、まだ治療・検査体制など確立しておらず、わからないことが多い感染症であること‥。多くが無症状というのも、誰が感染者なのかわからない‥日常にいつのまにか溶け込んで侵食しているゾンビみたいな、薄気味悪さを感じるところもとても怖いところで‥。どうなるのかしら。

 先が見えない中で不安が大きいけれど、とりあえず今できることは手洗いうがいマスクをして、感染予防に務めつつ体調管理に気を配ることなのかな。とりあえず、前向きに。

リスクはあるけど、クビにはならないかな‥と思えることがせめてもの救いですかね。病院も赤字みたいですけれどね‥

 そんなときに元気をくれるのは、家族やつながりなのかも。

大事にするべきところを大切にしようっておもっています。


[Nizi Project] Part 1 #1-1

 話ガラッと変わりますがNIZIU(虹プロジェクト)にドはまりのワタシです。本当元気でました!

ワタシより一回りも年下の子たちが夢を掴むために必死で努力。いくらダメ出しを受けようとも受け入れて自分のものにして前に進んで、ステージに立つ覚悟と自信を身につけていく努力の過程がものすごく、ものすごく感動してしまいまして‥

笑顔とか希望とか感動を届けるって本当にすごい。好きです。元気でました、ありがとう。

“アイドル”ってすごい。

もう最終回の感動が、本当に凄い、凄まじい、やばい!

笑顔をありがとう。マヤちゃん推しのワタシです。虹色に、なりたいなあ。

 

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!

健康にはくれぐれも気をつけましょ!