医学生と、本棚

医者4年目(後期研修医(専攻医))がゆるく書いてるブログ。(ゆったり更新中)

ニーゼと光のアトリエ【精神病棟の患者さんの、無意識の、解放】

 

これを見てちょうだい

治る見込みのない 人間の絵だと?

 

 


映画『ニーゼと光のアトリエ』予告編

 

今日は本ではなくって、“映画”です。

ツタヤで見かけて、気になったので、

昨日、鑑賞しました。

 

 

舞台は、1940年代のブラジル

ロボトミー手術”や麻酔なしの電気ショック療法が行われ

精神疾患の患者さんの人権に対する配慮なんて無かった、時代のお話。

 

 

精神病院で働くことになった、女医のニーゼ先生

当時行われていた、

暴力的な治療に断固反対し、

 

患者たちに絵の具と絵筆を与え、

自由に表現する場をあたえる、

今でいう心理療法を行います。

 

 

最後の、ニーゼ先生本人の言葉が、

一番心に残りました。

 

道は1万通りもある

自分の人生をどう生きるか

時代のためにどう闘うか

 

 

 

 

 

 

 

この映画を見ていると、

精神科病棟の、あの独特な雰囲気を思い出しました。

 

精神疾患を患っている患者さんって、

みなさん、とても自由で個性的、なのです。

 

具体的には言えませんが、本当に色々な方がいました。

飛んだり、跳ねたり、ずっと笑っていたり、

うつむいていて、ピクリとも動かなかったり。

 

お話を伺うと、思想とか、信仰とか‥なんだろう、超越しているんですよね。

その人それぞれで、別の“宇宙”があるというか。

 

 

 

精神疾患は、薬物治療や、手術をしたからといって、

パッと治るものではありません。

 

人によりますが、波があるのが普通で、

調子のいい時もあれば悪い時もあります。

 

まだ治療法が確立しておらず、

病気の定義すらあいまいなものも、多くあります。

 

私は、

そもそも、精神“疾患”なのだろうか、って考えたりもします。

 

普通の人とは違うっていうけど

そもそも“普通”ってなんだろうとか。

どこまでが”普通”なんだろうとか。

 

考え始めると、もう、よくわからなくなりますね。

 

 

患者さんが、

何十年も精神病棟から出られなかったというのは、

そんなに昔のことではないし、

世知辛いストレス社会で、

精神疾患は、とても身近なものになっています。

 

“こころ”と向き合う、いいきっかけになるかもしれないので、

鑑賞してみてはいかがでしょう。

 

 

ニーゼと光のアトリエ(字幕版)
 

 

―――――

ニーゼ先生みたいな、信念を持った、かっこいい女医さんになりたいです。

それから、ニーゼ先生の旦那さんみたいな、頼れる旦那さんの存在。それからニーゼ先生の膝の上にいた子猫。

ほんと、いいなあ。

 

あと書いていて思ったのですが、

実はロボトミー手術で有名な映画、

カッコーの巣の上で”を、まだみたことのない私です。見なきゃ。

 

それでは今日も読んでいただき、ありがとうございました。