ジキルとハイド。【あの人の、うらの顔は?】
これほどに人間を人間でなくしてしまう
苦痛と恐怖の場所がこの地上にあったとは。
- 作者: ロバート・L.スティーヴンソン,Robert Louis Stevenson,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/01/28
- メディア: 文庫
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誰もが一度は、名前を聞いたことがある、ジキルとハイド。
表では、善良で人付き合いも良く、位も高い人間(ジキル)の、
心の裏(ハイド)を覗けるお話。
二重人格のお話だと思っていたけれど、
これは誰もが持っている
心の奥底にある欲望や汚い部分、悪、への誘惑に
抗えなかったら、人間はいったい、どうなってしまうのかという話だと思う。
順調に人生を歩んできた人が、欲望に抗えなかったがために、
築きあげた地位や、自分を信じてくれていた大切な人をも、
一瞬で、失う羽目になる。
似たようなことが、毎日のように、
テレビのワイドショーやらで、報道されている。
遠い世界のことと思ってしまうけれど、
ほんの少しだけだから、と、手を出し
気づかぬうちに、すっかり染まってしまった数日後、
朝起きたら、
あなたの手は
やせ細り、すじ張って節くれだち、
血色が悪く、大量の毛に覆われた、
”ハイド”の手に変わっているかもしれない。
ジキルとハイドをちゃんと、読んだのは大学生の時でした。そういえば読んだことないな、ということで、空港で購入して、飛行機で移動の時に読んだのを覚えています。その時は、今よりも恐怖を感じませんでした。
でも、だんだん大人になって、失いたくないものが増えてくると、
怖い、ですね。このお話。
もうすぐハロウィンだから、なんかハロウィンっぽいちょっと怖い本、あったかな、と出てきた本がこれだったのですが、
もう一度、読むことができて、良かったです。
いろんな解釈ができるお話だと思いました。
いろんな本を読んでいると、いろんな人のこころの闇を感じることがあります。
本という媒体は、一番、こころの深い部分を出しやすいのかなって思うのです。だから好きなんですけどね、読むの。
今読んでいるみなさんにも、心の闇、ありますか?
と聞いている私が、一番深い闇をかかえているのかな‥笑
今日は、ちょっとだけ、怖い感じで書いてみました。
読んでいただきありがとうございます。
朝、鏡を見たら、ハイドになっていませんように。