”海と毒薬”と、東海オンエアと。【遠藤周作】
「強制しているんじゃない。ただ、承諾しなくても、これは絶対、秘密にしてもらわねば困るぜ」
「何です。それは」
「アメリカの捕虜を生体解剖することなんだ。君」
ちょっとのんびりしていたある日、
Youtubeで、最近はまっている
”東海オンエア”の動画を、なにげなく色々再生していると、
【海と毒薬】の読書感想文の感想文の感想文(!)を
作ったらどうなるのかという企画をやっている動画にたどり着きました。
実はこの本、読んでいた私。
感想文を聞きながら、この本こうなっちゃうのか‥!!笑ってなりました。
実は、かなり真面目な本なのです。
この本は、戦争末期に起きた、九州大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖実験(実話です)を、遠藤周作さんが小説化した本です。
捕虜の人体実験。
立場も弱く、断る勇気もなく、とうとう逃げられなかった自分。
何も知らない捕虜が、死んでいく姿を黙って見ている自分。
だまっておけという、偉い先生からの圧力。
今すぐ止めないと、という心の叫び。
しかし結局圧力に押し流され、人を見殺しにしてしまう‥
この本は捕虜の解剖に関与する人物、それぞれの立場で書かれているのですが、
勝呂という、今でいう研修医の章が、
医学生でかつ、もうすぐ研修医になる私にとって、
一番共感でき、恐ろしさを感じることができました。
形は違えども、
同じようなことって今でも起こっているのでは、ないでしょうか。
そして、今でも十分起こりうることなのではないでしょうか。
医師や看護師含め医療関係者は、人の生と死にどうしたって関わる職業。
どういう道を歩むにしろ、何を信じるにしろ、
自分の中の倫理観をしっかり持って、業務にあたらないといけないな、と感じた本でした。
遠藤周作さんの本は、有名なものだと、【沈黙】かもしれないですね。
映画化もされています。
でも私的に、遠藤周作先生の本で、一番読んで欲しいのはこの本です!笑↓
それでは、今日も読んでいただき、ありがとうございました。