祈りのカルテ 感想【慈恵医大卒のお医者さんの書いた、ミステリー】
- 作者: 知念実希人
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/03/29
- メディア: 単行本
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四月一日、二年間の研修医生活を終え、
今日から一人の医師としての人生がはじまる。
天井を仰ぐと、二年間の研修生活の記憶が鮮明に蘇る。
様々な医師や患者と出会い、そして様々な経験をした。
楽しい記憶、辛い記憶、その全てが輝き自らの血肉となっている。
国家試験に無事合格し、ようやく始まった初期研修。
早朝から、患者さんの採血を行い、
各科の先生方のレクチャー(授業)にて、日々お勉強。
その後は、1ヶ月ごとに異なる科を回りながら、
その科のプロの先生の指導のもと病棟業務(患者さんの診察、カルテ記載)を行い、外科であれば手術に入り、さらに当直(夜勤)業務もこなす日々。
眠たい目をこすりつつ、なんとなく重たい体を引きずりながら、
今日も色々な背景をもつ、患者さんの診察をこなしていく。
この本は、
そんな毎日を過ごす、とある初期研修医の先生が出会った、
“ちょっとクセのある患者さんたち”の抱える心の声を紐解いていく、
ほっこり、ミステリー。
―――
この本の作者は知念実希人先生。
東京慈恵会医科大学卒業後、日本内科学会認定医も取得されている、
沖縄生まれ、東京在住の‥、お医者さまです。(いま最も注目されているミステリー作家の一人でもあります!)
最近読書アカウントの方で、よく見かける作家さんなので
読みたいなー、と思いkindleで読んだのですが、
「ん??これ、研修医の話だったのか!アレ?随分とリアルだなーーー??」
と不思議に思いつつ読み進め、最後に作者さんの略歴のところを読むと‥‥
まさかの本物のお医者さまでした。(全然知らなかったです‥!そりゃリアルですね笑)
医学生は、国家試験に合格した後は、
就職活動の末、マッチできた病院にて、2年間の初期研修を行います。
よく親戚のおっちゃんや、医学部以外の友達から
「将来何科に行くのー?」って聞かれるのですが、
基本的には、様々な科(内科、外科、麻酔科、産婦人科、小児科‥)を回った後、
つまり“初期研修の2年目”までに決めます。(なので私もまだちゃんとは決まってないのです。)
その後は、大学病院に戻って医局に入り(研修先の病院に残る人もいる)、後期研修を行い、研修医期間が終わった後は、各科の認定医(内科認定医など)を取得します。
またもっと上の先生になってくると専門医、指導医の資格を取るため論文を書いたり‥という感じで、着々とキャリアを積んでいきます。
書いていて、思ったのですが、
医師って本当に、一生勉強ですね‥笑。
医学部に合格したときは、もう、こんなに勉強することなんてないんだろうなー。って思っていたのになあ。
世の中、あまくないですね。(あたりまえである。)
本物のお医者さんの書かれた本なので、一番リアルに近いって思ったこの本。
(雰囲気が、もう、そのまんますぎて、実習を思い出してしまうくらい。)
それでいてちゃんとミステリー、
医療というお硬いテーマなのにもかかわらず、ほっこり系。
この作家さんはハマる!と確信してしまいました‥!笑
初期研修医の気持ちを味わってみたい方、手にとってみてはいかがでしょうか。
なんだか喉がゴロゴロして違和感のある私。(医学生の不養生笑)
ほんと、寒くなりましたよね‥
体調崩されないように、今日もあったかくしてお過ごしくださいねー!
それでは今日も読んでいただき、ありがとうございました!